児童心理学者の加藤純子氏は著書でこう述べています。
「現代の子どもたちに最も欠けているのは、『レジリエンス(逆境を乗り越える力)』である」
この言葉を読んだとき、私は息子の顔を思い浮かべました。
ちょっとした失敗で落ち込む。すぐに諦める。「どうせ無理」が口癖。
まさに「レジリエンス」が欠けていたんです。
しかし、サッカー合宿から帰ってきた息子は、別人のようになっていました。
失敗しても立ち上がる。何度でも挑戦する。「できるまでやる」という姿勢。
合宿が息子に授けてくれたのは、この「逆境を乗り越える力」でした。
母親が気づかなかった息子の「弱さ」
正直に告白します。私は息子の「メンタルの弱さ」に気づいていませんでした。
いえ、気づいていたけれど、それが「問題」だと認識していなかったのです。
「うちの子は優しい子だから」
「競争心がないのは悪いことじゃない」
「マイペースでいいじゃない」
そう自分に言い聞かせていました。
しかし、夫から指摘されました。
「息子は『優しい』んじゃない。『弱い』んだ。困難から逃げているだけだ」
その言葉に、最初は反発しました。でも、冷静に観察すると、夫の指摘が正しいことに気づきました。
息子は困難に直面すると、すぐに諦めていました。
算数の問題が分からないと「もういいや」と投げ出す。
サッカーの練習で上手くいかないと「疲れた」と休む。
友達と意見が合わないと「どうでもいい」と関わりを避ける。
これは「優しさ」ではなく、「逃げ」だったんです。
合宿での「試練」が息子を変えた
息子が合宿から帰ってきた時、第一声がこれでした。
「ママ、めちゃくちゃ大変だった。でも、乗り越えられた」
その表情は、疲れていましたが、確かな自信に満ちていました。
後で聞いた合宿での出来事が、息子の変化を説明してくれました。
1日目の夜、息子は泣きそうになったそうです。
慣れない環境。厳しい練習。ホームシックの不安。
「もう帰りたい」と思ったそうです。
でも、帰れない。ママに電話もできない。
「自分で何とかするしかない」
そう決意した瞬間、息子の中で何かが変わったそうです。
2日目、練習試合でミスをして、チームが負けそうになりました。
以前の息子なら「僕のせいじゃない」と逃げたでしょう。
でも、その時の息子は違いました。
「僕が取り返す!」
そう叫んで、最後まで必死に走り続けたそうです。
結果的に試合には負けましたが、息子は泣きながら悔しがったそうです。
この「負けを悔しがる姿勢」が、息子の中に芽生えたんです。
帰宅後の驚くべき変化
合宿から帰ってきた息子の変化は、日常生活の至る所に現れました。
【算数の宿題】
以前: 分からない問題はすぐ諦める
現在: 30分以上考え続ける
【サッカー練習】
以前: 疲れたとすぐ休憩する
現在: 自主的に延長練習する
【友達関係】
以前: トラブルを避けて逃げる
現在: 意見を言って解決しようとする
【失敗への反応】
以前: 「もういいや」と投げ出す
現在: 「もう一回やる!」と再挑戦
最も驚いたのは、学校の先生からの連絡でした。
「最近、お子さんが積極的に手を挙げるようになりました。間違えることを恐れなくなったようです」
以前の息子は、間違えるのが怖くて、答えが分かっても手を挙げませんでした。
でも今は違います。間違えてもいい。失敗してもいい。挑戦することに価値がある。
そう思えるようになったんです。
「過保護」が子どもの強さを奪っていた
合宿を通じて、私自身も大きな気づきを得ました。
私の「過保護」が、息子の「強さ」を奪っていたという事実です。
息子が困難に直面しないように、私が先回りして助けていました。
算数が分からなければ、すぐに教える。
サッカーで失敗すれば、「大丈夫よ」と慰める。
友達とトラブルになれば、「気にしなくていいよ」と逃げ道を用意する。
これらはすべて「愛情」のつもりでした。
でも、実際には息子から「成長の機会」を奪っていたんです。
困難を乗り越える経験をしないから、困難に弱くなる。
失敗から立ち直る経験をしないから、失敗を恐れるようになる。
合宿が教えてくれたのは、「適度な困難が子どもを強くする」という真実でした。
母親が変わることの重要性
合宿後、私自身の子育て方針も変わりました。
息子が困難に直面したとき、すぐに助けるのをやめました。
「自分で考えてみたら?」
「どうすればいいと思う?」
「もう一回挑戦してみたら?」
最初は見守るのが辛かったです。失敗する息子を見るのは、母親として苦しい。
でも、我慢しました。
そして気づいたんです。
息子は、私が思っているより、ずっと「強い」ということを。
自分で考えられる。自分で解決できる。自分で立ち上がれる。
私が過保護にしていたから、その力を発揮する機会がなかっただけだったんです。
「レジリエンス」は一生の財産
冒頭で紹介した児童心理学者の加藤氏は、こうも述べています。
「レジリエンスが高い子どもは、学業成績が良く、人間関係も良好で、将来の幸福度も高い」
つまり、「逆境を乗り越える力」は、人生全体の質を決める重要な能力なんです。
合宿は、この「レジリエンス」を育ててくれました。
しかも、2泊3日という短期間で。
12万円という費用は、最初は高いと感じました。
でも、息子が得た「一生使える力」を考えれば、むしろ安いとさえ思います。
塾に年間30万円払っても、学力は向上します。でも「メンタルの強さ」は身につきません。
習い事に年間20万円払っても、技術は向上します。でも「逆境を乗り越える力」は育ちません。
合宿は、お金では買えない「人間力」を授けてくれました。
同じ悩みを持つお母さんへのメッセージ
もしあなたも、お子さんの「メンタルの弱さ」に悩んでいるなら。
それは、お子さんの生まれつきの性格ではないかもしれません。
環境の問題かもしれないんです。
困難に直面する機会が少なすぎる。
失敗から立ち直る経験が足りない。
親が先回りしすぎている。
合宿は、その環境を一時的に変えてくれます。
親がいない。
快適ではない。
簡単ではない。
その「困難な環境」が、子どもを強くするんです。
私は息子を合宿に送り出して、本当に良かったと確信しています。
サッカーが上達したことも嬉しいです。でもそれ以上に、「人として強くなった」ことが何より価値があります。
あなたも、勇気を出して、その一歩を踏み出してみませんか?
静岡県富士宮市で開催されるサッカー合宿の詳細は、公式サイトでご確認いただけます。
個人レッスンをご希望の方は、公式サイトから直接お申し込みください。継続的なサポートをお求めの方は、スクール活動もご利用いただけます。チーム活動を通じた実践力向上をご希望の方は、チーム参加もご検討ください。

コメント